令和5年3月議会 一般質問 汚水処理行政について
令和5年3月3日(金)、飯塚市議会にて一般質問に立ちました。
質問の内容は、「汚水処理行政」についてで、所管している企業局に対して質疑を行いました。
議員になった大きな理由として、環境問題に取り組みたいということがあり、中でも特に河川の水質の改善を絶対にやりたいと考えていました。
1年に4回、市議会本会議にて一般質問を行う機会があるのですが、ほぼ毎回、色々と題材を変えながら欠かさず一般質問を行ってきましたが、この「汚水処理行政」については、平成26年9月議会と令和元年9月議会の一般質問で取り上げていましたので、この内容についての質問は今回で3回目でした。
内容を以下に簡単にまとめます。
・河川が汚れる主な原因は生活雑排水の垂れ流しであるが、公共下水道もしくは合併浄化槽の整備でその状況をとめる必要がある
・飯塚市では地域特性、歴史的経緯などにより公共下水道エリアと浄化槽エリアに分かれている。
・汚水処理人口普及率の向上のための行政計画として「汚水処理基本構想」が策定されている。
・下水道エリアの抱えている問題は二つあり、一つが計画区域内での整備率の遅れ、もう一つが整備エリア内での未接続問題。
・浄化槽エリアの抱えている問題は、し尿しか処理しない仕組みである「くみ取り式便槽」と「単独処理浄化槽」を、し尿と生活雑排水(炊事洗濯からの汚水)の両方を処理する「合併処理浄化槽」に転換させること。
以上が簡単なまとめですが、要は汚水処理行政と一言でいっても、下水道エリアと浄化槽エリアで抱えている問題がそれぞれ異なっていました。
私は過去2回の質問を通して以下のような考えの下、改善策を提案し、検討を要望していました。
⚫公共下水道について
1) 下水道については、予算の関係上、整備率を一気に伸ばすことは不可能。
2) 下水道の計画区域内にありながら行政的な都合で下水道が来ないとなると、下水道計画区域内ではあるが、合併処理浄化槽を設置して対応することになるが、下水道計画区域内であるがゆえに浄化槽設置の補助金が対象外になるという矛盾した状況があった。
3) この矛盾を解消するには、思い切った下水道計画区域の縮減を行うしかない。
4) 3ができない理由として、縦割り行政の弊害があった。具体的には、公共下水道は企業局が所管し、浄化槽は市長部局が所管していたため、それぞれのデータの共有や汚水処理行政という大きな俯瞰した視点が欠如し事務が滞っていた。
5) 4の分析の元、汚水処理行政の窓口を一本化するという組織機構改革を提案していた。
⚫浄化槽について
1) 「くみ取り式便槽及び単独処理浄化槽」から「合併処理浄化槽」へ転換が進まない大きな原因として、古い設備の撤去費用と配管費用を捻出することが困難であること。
2) そもそも自宅に整備されている浄化槽が「単独処理浄化槽」なのか「合併処理浄化槽」なのか認識できていない。
3) 役所と委託業者の間で浄化槽の転換ということをそもそも課題として共有したことがなかった。
4) 以上のような状況から、まずは転換に関する補助金の創設を提案した。また、補助金ができたとしても、それを対象者に個別にお知らせする必要があったことから、委託業者へ事業趣旨を理解してもらい、協力体制を築くことを提案。
このように公共下水道と浄化槽について具体的な提案を行っていましたので、今回はその進捗状況を確認すべく質問しました。
また後日、公式な議事録が完成し次第、具体的なやりとりについてこちらに掲載しますが、結論から言いますと大きな成果報告がされました。
まずは、組織機構改革として、汚水処理行政の窓口が一本化され、すべての事務を企業局が担う形になっていました。
その組織機構改革があったことで、今まで進まなかった下水道計画区域の大幅な見直しが一気に進んでいました。
下水道計画区域から外れることで合併処理浄化槽設置の補助金が出るようになるとともに、5年間の期間限定ではありますが、補助金の上乗せ支給も実現しました。
また、浄化槽の転換補助金が創設され、補助金の申請件数が前年比20%程度の伸びをしめしているとのことでした。
以上のように大変に大きな成果を確認することができとても嬉しく感じるとともに、やはり行政を動かす大きなポイントは「組織機構の見直し」にあることを再確認するとともに、成果を焦らずに長期プランを持ち、事業趣旨を伝え、明確なビジョンを示し、具体的に行政に動いてもらうということにあるのだなと感じました。
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